住宅ローンの残高が残っている状態で家の売却はできるのでしょうか。
結論を申し上げると、家の売却は可能です。
しかし、売却するには抵当権を外さなければいけないという条件がつきます。
今回は、住宅ローンが残っている家の売却に関して、抵当権の仕組みと売却方法について解説します。
□抵当権を外すためには住宅ローンの完済が必要!
抵当権とは、ローンの借入先である金融機関が家や土地を担保にできる権利のことを指します。
抵当権が残っている状態でローンの返済が滞った場合、金融機関は家や土地を強制的に競売にかけて現金化することが可能になります。
つまり、抵当権を外していない状態で住宅を売却できてしまうと、買主が抵当権を引き継ぐことになってしまうため、抵当権付きの家は売却できないことになっています。
しかし、住宅ローンが残っている場合でも、返済が厳しくなった場合や引っ越す場合など、さまざまな理由で抵当権が残っている状態で家の売却をせざるを得ないケースはあります。
抵当権が残っている状態で家を売却するためには、まずは住宅ローンの借入先の金融機関に相談します。
ローンの返済が家の売却益で可能と判断され、許可を得た場合、売却が可能となります。
しかし、家の売却益ではローンを返済しきれない場合もあります。
以下より、そのような住宅ローンが残っている場合の家の売却方法を3点、ご紹介します。
□住宅ローンが残っている家の売却方法
*手持ちの資金で補填する
最も簡単な方法は、手持ち資金で残りのローンを補填する方法です。
預金や、両親などに相談して資金繰りをし、ローンを完済するケースが一般的です。
金融機関から無担保で借り入れる方法もありますが、こちらは金利が高くなります。
*住み替えローンを利用する
住み替えローンとは、家を住み替える場合に、以前住んでいた家のローンの残りを足して次に住む家のローンを借り入れる方法です。
住み替えローンの注意点は審査が厳しいことです。
*任意売却を行う
住宅ローンの返済が難しい場合に、金融機関に許可を得て売却活動を行うことを任意売却と呼びますが、金融機関が許可を出さなかった場合は売却できません。
任意売却を行うメリットとしては、競売にかけられた際よりも高い価格で家を売り出せることや、ローンが残っても相談次第でコツコツ返済できるようになることなどが挙げられます。
□まとめ
住宅ローンが残っている状態で家を売却する際は、ローンの借入先との相談が必須です。
また、家の売却益でローンを返済しきれない場合は、「手持ち資金で補う」「住み替えローンの利用」「任意売却」といった選択肢があることを覚えておきましょう。